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本文へジャンプ 更新日2007年5月28日 

歯内

歯内療法とは根の治療のことです。
虫歯が神経まで完全に到達していたり、根の先に病気があって咬むと痛い場合などに必要です
 
左上の絵のように虫歯が歯の神経(歯髄)に達すると、細菌が歯髄の中に侵入します。
細菌が入ってしまうと歯髄は壊死していき、歯の中の歯髄腔(歯髄のあった空間)は細菌の巣になってしまいます。
放置すると骨にまで細菌が侵入し感染が広がり、骨がとけて場合によっては重篤な病気になります。
細菌が血液中に入り心臓や他の臓器に行って病気を起こすことは各方面で発表されています。
その為右絵のように歯医者が歯髄を除去しその空間をきれいにします。
歯髄のあった空間にはプレデンチンとよばれる細菌の栄養になるものもあるため、やすりの様な器具で拡大をかねて清掃します。
時間のかかる治療です。
なぜなら歯髄のあった空間は大きくしないときれいになりませんが、大きくしすぎると歯そのものの厚さが薄くなり咬むちからに耐えられなくなり割れていしまいます。
神経のあった空間をきれいにするには、大きくしたいけれど大きくしすぎると歯が駄目になってしまう。
矛盾することをクリアするには、やすりの様な器具で最小限の拡大をするため時間がかかります。
歯髄腔がきれいになった後、隙間が空いたままですと細菌が侵入し病気の原因になりますから、
人体に無害なもので空間を密閉します。
密閉した状態を根管充填といいます。左上がその状態です。
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実際の症例を以下にご紹介いたします。すべてレントゲン写真です。
症例1
左上レントゲンは治療前の状態です
向かって右の歯の左側の根の先が人差し指の先ぐらいの大きさに黒く見えます。非常に大きな病巣です。
骨は正常であればレントゲン上では白く見えるのに黒くなっているのは骨がとけてしまっています。
ここまで大きくなってしまうと直らないことも十分にあり場合によっては歯を抜くこともあります。
しかしなるべく歯は抜かないで保存した方が良いので、他の歯や組織に害をなさなければ保存治療を試みます。
左上レントゲンは原因の根管の長さを測り、歯髄腔を清掃します。
通常は歯髄腔がきれいになった時点で最終的な薬で埋めますが、この症例の場合病巣が大きいのでアルカリ性の薬剤を注入し組織の治癒力を活性化します。その後混合した抗生剤を注入し組織を殺菌消毒します。
期間を少しおいてから歯髄腔に最終的な薬をつめます。右上レントゲンがつめ終わったところです。
治療を開始してから約半年後のレントゲンが左上です。
根の先の黒く透けていた病巣部分が白くなり骨で埋まり直っています。
駄目かな?と考えていた歯が正常に機能することはたいへんうれしいことです。